《MUMEI》

僕はワインセラーに戻り、息を潜めるように携帯電話を耳にあてた――…。



*「いいか?ドラミが一緒にいる限り、アイツらが家に入って来るのは時間の問題だ…。

…キミは、黙って其所で待ってろ。」


「そんな事いわれても…」


*「つべこべ言うな!…両親を返して欲しくないのか!?

…しずかくんに誤解されたままでいいのか!?」



奴の電話の声も焦っていた…。



気がつくと、あれほど騒がしく玄関ドアを叩いていた音が止んでいた。


おそらくドラミの力を使って、家の中に入ってきたのだろう…。



「分かった…やるょ…やればいいんだろ?」


僕は小声で返事したのさ…。

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