《MUMEI》
――君の名は











目覚めると辺り中眩しい光が溢れ、そして隣には隆志が眠っていた。





むくりと起き上がるとそこは、相変わらずどっちからった裕斗の部屋。





そういえば裕斗と一緒にここに来たんだっけと改めて思い起こし…、しかし隆志が俺の隣に、しかも俺が裕斗に買ってやったシャツを着ていることに驚きを隠せなかった。








ぺたぺたと洗面所に行き顔を洗う。



しかし何だか躰中ベタベタしている感じがして…





「裕斗、いないのか?」




そう言いながら辺りを見渡すとテーブルに置き手紙があり、





―――――――

仕事行ってくる
レンジの中に朝飯入ってる
―――――






と、短く、しかし綺麗な字で書いてあった。





「―――裕斗の…朝飯……?」





一瞬レンジに目線を持っていくが、なんとなく見るのが怖くて




「――シャワー借りるぞー……」





今は傍に居ない所有者に一応断り、俺はシャワーを浴びた。








さっぱりして部屋に戻るとボサボサ頭の隆志がベッドに座り、煙草を吹かしていた。




「――おはよう、隆志」




「うん、おはよ」





腰に巻いたバスタオルを剥がし、さっきまで着ていた服を着る。




そんな俺の様子を黙って見ている隆志。




「…兄貴は?」




「――帰った」




「――帰ったの?」




「帰ったよ」




「―――」




「―――」




「――――」




「体調どうだ?」




「…うん、なんかいっぱい寝たからすっかりしてる」



「そっか、……良かった……」




隆志は灰皿に煙草を押し付け消した。



「いつの間に来たの?」



「それは俺の台詞」


「―――」


「―――」

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