《MUMEI》 ――…その時……。 「…ううぅっ!……ぉ兄…ちゃ……ン…!」 ジャイ子が兄の声を聞き付けたのか、一際大きなうめき声を発したんだ…! すると――… 「今の声!…間違いない!…ジャイ子だ…!!」 階上から、ジャイアンの叫び声が聴こえてきた…! もうじき彼は、このセラーに押し入ってくる!! 僕は圧し潰されそうな恐怖と戦う余り、額に滲む汗を拭うことも忘れていた。 *「準備はいいか!?…電話は切るなよ。繋げたままにしておくんだ。 …キミは今から“キラ”だ…。 …ジャイアンがドラミを殺せば、キミの両親としずか君を返してやる。」 出来杉はもう一度だけ、僕に対する見返りを強調した。 前へ |次へ |
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