《MUMEI》 ピンチ〜歩視点〜 いってぇ・・・。 背中がヒリヒリする。 2度目の海の平手打ちをくらった俺は、眉間にしわを寄せて海を見る。 いきなり何なんだよ!海のやつ〜!! そんな俺とは裏腹に、海は楽しそうに笑っている。 そして何か閃いたように、目を見開き手をポンっと叩いた。 「歩、これから学校戻るのか?」 グウゥゥゥ〜。 海の質問に、俺の腹の音が答える。 「ぷっ!腹で返事すんなよ」 海は笑いながら、俺の背中をバシバシっと叩いた。 だから・・・痛いって!! っていうか、腹減った〜! 「わっもう3時じゃん!そりゃ腹も鳴るわな〜」 海の言葉に、携帯で時間を確認するともう昼はとっくに過ぎ、おやつの時間になっていた。 「本当だぁ〜!!気づかなかった!」 そんなに時間が経ってたなんて・・・! 「近くにコンビニあるから、何か買うか!」 海の言葉に頷き、コンビニに向かう。 コンビニに着き、買い物カゴを持つ。 これと・・・これと、あっこれもいいな! わぁ〜こっちも美味そう!! 沢山並べられたパンやおにぎりの中から美味しそうなものを、買い物カゴに放り込む。 そしてレジに並ぶ。 えっと、財布・・・・・財布。 財布・・・さいふ?? ん〜と・・・・・?さいふはどこかなっ? 俺は、ガバッと後ろを振り返り海を探す。 海は、ジュースのコーナーで悩んでいるようだ。 あっ飲み物買うの忘れてた! ってそうじゃなくて!! 財布がない〜〜〜! 前へ |次へ |
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