《MUMEI》

「もし、帰りたいって言うならそうする事も出来るがな」

「帰りたいわよ!神がどうとか、天使だとか訳わかんないこと言ってないで帰る方法があるならそっちを教えてよ」

「帰る方法は単純だ。お前の代わりが出来ればそれで良い」

そういうと間宮はプイッとそっぽを向いて歩きだした。

「それじゃあ私の代わりが出来れば私は生き返れるの?」

「生き返るんじゃない!俺が殺す前に戻るだけだ」

「同じことじゃないそんなの!それじゃあ早く私の代わりを見つけて来てよ」

間宮はさっきからずっと歩みを止めない。私の言葉を聞いて、振り返ることもせずに手を中途半端に挙げて、わかったわかったというジェスチャーを繰り返した。
そしてその後ろ姿は白の空間の中に溶けていった。

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