《MUMEI》
ヤル気満々(俊彦視点)
洋子さんの号令を俺は今か今かと待っていた。


洋子さんに連れられて学校に到着するまで、俺は途中まで車内でうつ向いていたのだが、気持ち悪くなって途中から顔を上げ、流れる景色をボンヤリと見ていた。


その時、蝶子を連れて行きたいある場所を発見したのだ。


そこに、奇跡のように蝶子が現れたのだから


(行くしかないでしょ!)


俺のテンションは上がりまくっていた。


しかし、そんな俺に対して蝶子はその気があまり無い様子で、キョトンとしていた。


その、無邪気な感じがまた俺のテンションを上げた。

その気が無いなら


なるように、すればいいのだ。


俺はいつでもどこでも大丈夫だが、蝶子はそれを嫌がる。


俺は、それを逆手にとって、まず、蝶子と二人きりで出かける事に成功した。


既に、洋子さんには明日の朝帰るからと伝えてあった。


俺は、頭の中でどう蝶子を可愛いがろうか考えながら、蝶子の肩を抱く手に力を込めていた。


(まずは、車だな)


俺達は、車を借りる為に、駅前に行く事にした。


(メシもどっかで済ませないとな)


思いきりガッツリ食べようと思った。

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