《MUMEI》

そして、
皆で宗方さんと腹を割って話した。
徳和さんのことは一方的な片想いだっただけで、もうフラれて仕事が今は恋人だと言った……

のに、



「こ……恋人の乙矢君で〜す?」

宗方さんと腕を組み、
彼は現れた。

イケてるメンズ俳優顔負けの超絶男前現役未成年。

援交じゃなく、真面目お付き合い……。






『――――ア゛ッ 』



  ギッ

 『 …………アア゛!』


ギギッ

     『イイッ 』



  ギィッ

『 スゴイィ、おとやァァ……     ンァッ 』


ギギッ  ギッギッミシッ

防音なのに半ドアな寝室は嫌な振動がした。



「彼女欲し……」

自然と口走っていた。


「……岸君、冷静だね」

他の社員に言われた。


「そうすか?」


「だって彼女欲しがっちゃうし。宗方は徹夜で疲れてるとムラムラさせるで?」

は、初耳だ。


「マッスルエンジンが誰しも通る試練ってやつなわけだ?」

利恵さんが鼻で笑う。
もしや、利恵さんも……?
だとすれば、意外なとこに敵が潜んでいたのか。


利恵さん……歳が離れているけど好きだ……
最近瞼が下がってきたけど好きだ……

「利恵さん飲み行きましょうよ……」


「嫌だよ岸君の飲み方ダラダラしてるんだもん。」

利恵さんは必ず20時に帰る。



「フラれたー、岸君ー!」

「俺なら空いてるよ?岸君の奢りだけどね?」

「止めとけー、岸君の引き締まった尻狙われんぞー」


  ミシッ

  『――アァー……ッ』

「…………ウルサーーーーーーイ!」

マウスが壊れるかと思うくらいにクリックしてしまった。

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