《MUMEI》

それは見事なまでに、不運な誤解を招きかねないシチュエーションだった………。




――…ガチャン……!


ドラミは思わず日本刀を床に落とした。



そして――…


「こ!…これは、違うんです!……私は…………」


…と言いかける…。




しかしドラミは、その後に続く『殺してない』という言葉を飲みこんでいた…。釈明することを躊躇ったのだ…。



何故なら、スネオ自らが望んだ事とは言え、彼に留目を刺したのはドラミだったからだ。




ドラミは呆然と自分の手……ペタンハンドを見つめる――…。



血まみれの手が、その瞬間の感触をまだ覚えていた――…。

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