《MUMEI》

間宮がいなくなってからどれぐらいの時間がたったのだろう。此処には時計なんて気の利いたものなんかないから…………自分の感覚だけが頼りだ。

「10〜20時間ぐらいかな」

誰にも聞かれることがないのであえて口にしてみる。

そして口に出したそのアバウトさに自分でも驚く。何もしないで何もないところにいたら時間の感覚なんてわからなくなる。

「仕方がないよねそんなこと」

理屈ではわかってる。でもわからない。

「後どれくらい待ってたらいいんだろう私」

このまま待っていれば間宮が私の代わりの天使を連れて来てくれて私は元に戻れる。

そんな楽天的な考えはもうなくなっていた。

もしかして間宮はもう戻って来ないんじゃないかって事しか考えれなくなっていたし、実際そうだった。

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