《MUMEI》

暫く走らせて何度か来た事のある佐伯の自宅に着いた。




コンビニの正面ではなく裏側の白線の引いてない駐車場に車を止めた。





「――全く…」






俺の隣には助手席をリクライニングさせ涎を垂らしながら眠る我が侭王子。






もう夢の中なくせに俺のシャツをしっかり握りしめちゃって…





全く可愛いじゃねえかよ。





携帯から聞いたばかりの番号に電話すると、直ぐに声変わりしたてみたいな声の少年が出た。







聖君に俺の名前を告げると、今下に行きますと言われ、携帯が切れた。





シャツから裕斗の手を剥がし俺は車から降りた。





すると直ぐに玄関が開き、すたすたと少年が出てきた。








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