《MUMEI》

これ以上スネオの母親を狼狽させるのは本意ではない…。



ドラミは、一歩…二歩と後退りすると――…



「…サヨナラ…!」


そう言い残してワインセラーを後にした。



階段を駆け上がるドラミの眼からは、一筋の涙が溢れ落ちる――…。


その涙には、様々な意味が込められていた――…。



誤解を解けなかった口惜しさ…



3人の友人を失った哀しみ…



そしてキラを捕らえられないばかりか、その掌で踊らされる悔しさ…



ドラミは真一文字に口をむすび、涙を噛みころした――…。

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