《MUMEI》
同じ気持ち(俊彦視点)
(俺の蝶子が知らないうちにキズモノに!!)


衝撃の事実に俺は打ちひしがれたが


「それだけ、蝶子も俺と同じように寂しかったん…」

そこまで言うと、蝶子の頬が赤くなった。


「だよね」


俺は、嬉しくて笑ってしまった。


「…す、少し、ね」


蝶子は照れて、俺から目をそらした。


「可愛い、蝶子」


俺は、蝶子の人差し指の、かさぶたになっていた傷口をなぞるように舐めた。


「ンッ…」


いつまでも感度が素晴らしい蝶子がピクリと震えた。

俺は、胸元まで伸びた蝶子の髪を優しく撫でた。


今年の誕生日に、蝶子は麗子に遊ばれて、初めて髪にウェーブをかけた。


麗子としては、茶髪にしたかったらしいが、俺が猛反対したから、蝶子は今も黒髪のままだった。


(黒髪は譲れないけど、麗子もいい仕事するよな…)

俺は、蝶子の柔らかな髪の感触を楽しみ、それから、今も白い肌の感触を楽しんだ。


「アァ…ッ…と…しっひこ……あ、し…」

「何、蝶子?」


いつものように、ふくらはぎに吸い付こうとしたら、蝶子が何か言おうと、必死で口を動かした。


「足が、何?」


俺は、蝶子の口に耳を近付けた。

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