《MUMEI》 授業も出るだけでろくに受けず、 届きもしない努力を毎日繰り返す。 それでもいいと思って動いていたが、 『昼ごはんがない』 そんな小さなことで一気にやる気が失せた。 いや、 ホントはやる気が無くなったわけじゃない。 ひどく落ち込んだだけ。 疲れてる体に、 嫌なことがちょっとだけ重なって、 そうしたら、 周りにある全てのことが、 辛く感じられた… 「何凹んだ顔してんだよ?」 「いや…、 昼飯売り切れてたから…」 「お前そんなんで凹みすぎだよ!!」 (違う… ホントはそれだけじゃない。 何で… 何で誰もわかってくれないかな…) 「椎名くん。」 「ん…?」 酷い顔の椎名に、 誰かが話しかける。 「これ食べる?」 購買のパンを差し出すクラスメート。 「…いいの千秋?」 「うん。 今日買いすぎたから。」 「マジで!? ありがと!!」 「いいよ。 気にしないで。」 自然体の笑顔でパンを差し出すクラスメート。 比野千秋。 彼の笑顔に、 少し癒された椎名だった。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |