《MUMEI》

外国では、二十歳の誕生日を豪勢に祝うらしい。

しかし、こんな凄いパーティーは初めてだった。

某高級ホテルで沢山の人達が集まっていた。
スーツが黒い人は確かに居るけど浮く程の人数ではない。
ただ、皆セレブっぽい。
俺みたいな凡人には不釣り合いだ。

テーブルも沢山散っていて、グラスに多種多様な飲み物が振る舞われている。

俺達は招待状を見せると未成年の集まる場所に案内されてオレンジジュースを頂いた。

七生が横を通り過ぎると女性が皆振り返ったり目で追うのが気になっていた。

七生、今日は確かに目を引くよな……いつも俺だけが知ってる七生の手足の長さとか気付かれてしまい、かっこいい。


「ん?二郎?」

顔を覗いてきた。


「なんでもない……」

オレンジジュースを一気した。


「七生さん二郎さん、お越しくださりありがとうございます。」

瞳子さんがやってきた。
体のラインを見せるの桜色のドレスに黒の宝石を付けて大人っぽい。

「おめでとうございます瞳子さん。」

俺の言葉に瞳子さんは優雅に微笑みかけた。女性ならではの美しさがある。
七生と瞳子さんが並ぶと二人は絵になる。

「お二人共スーツがお似合いですね。」


「瞳子さんもお姫様みたいだよ」

…………七生が瞳子さんを褒めた……

瞳子さんは頬を微かに赤らめて消えてゆく。
面白くない……


そういえば瞳子さんて年上じゃないか。
お嬢様でおしとやかだし、フワフワした……うん、お姫様だ……

やばい。
六杯もオレンジジュース飲んだら尿意が……。

「落ち着きないないな?」

グラスに視線がよせられている。


「なんでもないから……」

さっきから視線を送っているカワイイお嬢様達とお話していればいい。

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