《MUMEI》
「起きろよ!おい!
アイスとけちまうよ〜!」
一本かじりながら裕斗を揺さぶる。
「ん〜やだぁ、抜いちゃやだぁ…」
「何寝ぼけてんだよ!お〜い!!」
運転しながら譲ったりぶっ叩いたりするがいっこうに起きない。
「全部俺が食っちまうぞ!!」
「ン〜…たべて〜……、全部…はぁ〜…舐めて…」
「言ったな、食うぞ!食うからな!!」
ダラダラ溶け始まった二本目に俺は慌ててしゃぶりつく。
俺のマンションに着いたと同時に目を醒ました裕斗……。
自分のバカさ加減に落ち込むかと思いきや
「―――――」
「―――――」
「――甘い…、おいしい」
俺の唇を塞いだ後、そう言った。
▽
その後むさぼる様なセックスをして、気がつけば空が明るくなりだした。
気だるい疲れに身を任せ、裕斗を抱え込みながら瞼を閉じた、
その時……
「一眠りしたらまた探しに行こうね」
………
溶けてもいーから……
とっとくんだったと
俺は激しく後悔した。
END
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