《MUMEI》

「起きろよ!おい!
アイスとけちまうよ〜!」




一本かじりながら裕斗を揺さぶる。




「ん〜やだぁ、抜いちゃやだぁ…」




「何寝ぼけてんだよ!お〜い!!」




運転しながら譲ったりぶっ叩いたりするがいっこうに起きない。




「全部俺が食っちまうぞ!!」



「ン〜…たべて〜……、全部…はぁ〜…舐めて…」




「言ったな、食うぞ!食うからな!!」





ダラダラ溶け始まった二本目に俺は慌ててしゃぶりつく。





俺のマンションに着いたと同時に目を醒ました裕斗……。





自分のバカさ加減に落ち込むかと思いきや



「―――――」

「―――――」




「――甘い…、おいしい」





俺の唇を塞いだ後、そう言った。








その後むさぼる様なセックスをして、気がつけば空が明るくなりだした。





気だるい疲れに身を任せ、裕斗を抱え込みながら瞼を閉じた、
その時……







「一眠りしたらまた探しに行こうね」




………





溶けてもいーから……

とっとくんだったと








俺は激しく後悔した。




END

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