《MUMEI》

◇◇◇

蜜樹君は‥

あたしを近くの花屋の軒先に連れて来て

雨宿りさせてくれた‥。

でも‥‥‥

「‥‥‥‥‥‥‥」

何も‥

言えない‥‥。

ありがと≠チて言わなきゃなのに‥

言えない‥。

「あんこ♪」

「‥ぁ」

俯いてたあたしの前に差し出されたのは‥‥

傘‥‥。

「忘れてったろ? 傘立てにあったからさ(笑)。ほい♪」

「‥‥ぁ‥‥‥‥あり‥がと‥///」

震える手で‥‥

傘を受け取る。

「いい傘持ってるよな♪」

「ぇ‥?」

「紫陽花色って感じでさ、何かいーじゃん(笑)」

「‥そう、かな‥‥‥///」

何だか‥‥

一気に体が熱くなった‥。

◇◇◇

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