《MUMEI》
劇の報告
「とにかく面白かったわよ!」

「「すごかった!」」

「確かにすごかったなぁ」

九月最後の日曜日に行われた吾妻高校演劇部練習の成果を見に行ったのは


愛理さん

やこちゃん・せいこちゃん
相田さん


の、日曜日休みの四人だった。


他の皆は仕事で行けなかったので、この四人の報告を楽しみにしていた。


(わざわざ、『クローバー』予約する位だもんね)


今日は、翌日の月曜日の昼間で、皆が集まるのには丁度良かった。


主役が麗子さんで、相手役が孝太、それに、俊彦も劇に貢献したから、今日は『シューズクラブ』の四人も揃っていた。


休みにはできなかったから、営業時間を短縮したらしく、全員スーツのままだった。


「俊彦役の子もかっこよかったわよ」

「俺のおかげだね」

「でも、一番は、彼ね」


愛理さんは、一枚の写真を指差した。


「誰この美少年!」


女性陣が大騒ぎするのも無理は無かった。


そこには、華奢で、とても美しい、黒髪に青い瞳の少年がうつっていたのだ。


私と俊彦も気付かなかった、その少年の正体は


孝太役の田中祐也君だった。

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