《MUMEI》 ついうっかり(俊彦視点)確かに祐也君はびっくりするほど可愛かった。 しかし、劇に一番貢献した俺としては、俺や柊の事をもっと取り上げて欲しかった。 そこで、女性陣よりは少しだけ冷めている男性陣の 克也と孝太辺りにアピールする事にした。 「もしも〜し、俺も頑張ったんですけど」 「…」 孝太に冷たい眼差しを向けられた。 「俺ね、お盆休み潰して指導したんだよ?」 「お疲れ」 克也との会話は一言で終わった。 「つ〜か、壱子ちゃんが保育園で『ママ、トシに貸してあげた』って健気に語ってたから」 (だからか!) 春樹の言葉に、俺は皆が、俺に対してどこか冷めている理由がわかった。 この辺に保育園は一つしかないから、俺達の子供は皆同じ保育園に通っていたのだ。 「子供達放っておいてイチャイチャしてたんだろ?」 ムカ〜! 和馬の言葉に俺は頭に血が上った。 確かにイチャイチャはした。 しかし、それはちゃんと目的があったし、俺は役目を果たした。 だから俺は叫んでしまった。 「イチャイチャのどこが悪い! そのおかげで、蝶子のお腹には今四人目がいるんだぞ!!」 前へ |次へ |
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