《MUMEI》
ついうっかり(俊彦視点)
確かに祐也君はびっくりするほど可愛かった。


しかし、劇に一番貢献した俺としては、俺や柊の事をもっと取り上げて欲しかった。


そこで、女性陣よりは少しだけ冷めている男性陣の


克也と孝太辺りにアピールする事にした。


「もしも〜し、俺も頑張ったんですけど」

「…」


孝太に冷たい眼差しを向けられた。


「俺ね、お盆休み潰して指導したんだよ?」

「お疲れ」


克也との会話は一言で終わった。


「つ〜か、壱子ちゃんが保育園で『ママ、トシに貸してあげた』って健気に語ってたから」


(だからか!)


春樹の言葉に、俺は皆が、俺に対してどこか冷めている理由がわかった。


この辺に保育園は一つしかないから、俺達の子供は皆同じ保育園に通っていたのだ。


「子供達放っておいてイチャイチャしてたんだろ?」

ムカ〜!


和馬の言葉に俺は頭に血が上った。


確かにイチャイチャはした。


しかし、それはちゃんと目的があったし、俺は役目を果たした。


だから俺は叫んでしまった。


「イチャイチャのどこが悪い! そのおかげで、蝶子のお腹には今四人目がいるんだぞ!!」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫