《MUMEI》 その後俊彦や、周囲の期待通り、私は自分や友君に良く似た女の子を産んだ。 私は、その子を貴子(たかこ)と名付けた。 この貴子は、私の願いが通じたのか、かなりしっかりした女の子に成長する。 そんな貴子に大満足な私なのだが… 最近、また、俊彦がとんでもない事を言い始めた。 「蝶子、もう一人! 今度は中身女王様じゃなくて、中身も蝶子似の可愛い子ちゃんをもう一人!」 「はぁ?」 「これで、本当に最後にするから、ね、ね、ねぇ〜!!」 そんな俊彦は、今三十五歳。 私は、三十三歳。 相変わらずバカップルと周りに冷やかされるが、五人目に挑戦するかは まだ、未定だ。 (俊彦視点) 生まれた子は文句無しに蝶子似の女の子だった。 生まれた時は、もうこれで十分だと思ったのに… (日本酒飲ませてヤッちゃったのがまずかったかな) 三歳になった貴子は、可愛いというより、しっかりしすぎて、ちょっと…恐い。 蝶子の顔だけに、ギャップがありまくりだ。 (…まだ、イケるよな) 俺の父親が、四十二歳の時雅彦が生まれた。 その時母親は、三十七歳だった。 ー完ー 前へ |次へ |
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