《MUMEI》

「えっ、あたしと同じウルフが?この近くにいるの!」


湧雄はちょっと興奮気味に言った。


「ワン、ワンゥワワンゥゥ。(はい、まだ近くにいると思いますよ。)」



「あたし、ちょっと行ってくる!」


「ワンワウ、ワワゥンワワワンゥゥワ、ウワワワゥンワ。(分かりました、では私はここで失礼します。このご恩は一生忘れません。)」


犬は深々とお辞儀をした。


「いいのよ、じゃあね。何かあったらまたおいでね。」

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