《MUMEI》
若い友人
「うわぁ、キヨさん巡って美少年がケンカしてる!?」

「無いだろ、それは!」


混乱している俺と祐を、更に混乱させるどう見ても二十代の二人の男女が登場した。


「俺は、さっき祐也に会おうか会わないか迷いながら歩いてたら、このばあちゃんが声かけて来て、悩み事聞いてくれたの!」

「つまり、ナンパ?」


女性が目を輝かせた。


「違〜う!」


「そっちの君は?」

「て、聞けよ、俺の話を!」

「あ、俺は春日さんがいた施設に朗読ボランティアに何回か行ってて、そこで…」

「あ、もしかして君が『可愛くて面白い子』?」

「何だそれ! 気になるな、オイ」

「あ、はい、そうです。多分…、あ、俺田中祐也って言います」

「どうも、遠藤 葉月(えんどう はづき)です。

さっきから、勘違い発言してるのは、一応、奥さんの美緒(みお)ね」

「一応ってひど〜い! でもよろしく!」

「あ、よろしくお願いします」


俺は、遠藤夫婦に頭を下げた。


「そろそろ、この可哀想な子にも名乗らせてやったらどうだい?」


「あ…」×3


春日さんに言われて見ると、祐は、その場にしゃがみこんでいじけていた。

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