《MUMEI》

『…ねぇ。渉…。』


何度、話し掛けても渉は返事をしない…。


あの日から…
私は、坂城家のバイトを再開したが、渉とは会話どころか目すら合わしていない…。


それもこれも…
全部、稜兄のせいだ(怒)!


あの日から…
何故か…付き合っていることになってしまったため、稜兄は私に堂々とセクハラ三昧の毎日…。


『璃久〜!!』


料理を作っている私に、
後ろから抱きつく…。


『チュ〜するか(笑)?』


顔を近付ける…。


私が思い切り顔を反らすと、首筋にチュッと軽くキスをする…。


『…ちょっと稜兄!
いい加減にして……。』


『何が?
俺、彼氏だぞ。確か…璃久が言ったんだよな(笑)?』


困った私の顔を見るとまた、嬉しそうに抱きつく…。すると次は、エプロンの上から、胸を揉み始めた…。

『やっぱFカップは違うね〜!片手じゃ、おさまんないもん(笑)!』


『…やめてってば!』


『ふ〜ん。
璃久は、おっぱい揉まれるの好きじゃないんだ…。』


“…そういう話じゃなくって(怒)!!”


『おっ!忘れてた!
下着チェックするの。』


私の話も聞かず稜兄は、やりたい放題だ…。


スカートを捲りあげ、パンツをチェック…。


その後は、また私の後ろに回り込み襟元をグッと引っ張り、ブラジャーを覗き込んだ…。


『…薄いピンクに
花柄か…。まぁ合格だな。璃久!お前はおっぱいが大きいんだから、はみ出さないように気を付けろよ!』


“…イラッ
稜兄が散々胸を揉みまくったから、はみ出しちゃったんじゃん(怒)!!”



稜兄は得意気に言うと、
服の中に手を入れ、両脇から胸をグッとブラの中に押し込んだ…。


『よしっ!オーケー。』


両手でハンバーグを捏ねていた私は、好き放題、稜兄に触られまくった…。


『どれどれ?
次はパンティーを直してやるか…。』


跪き、再びスカートを捲ろうとする稜兄…。


必死に股を閉じて抵抗していると、リビングで渉が、読んでいた雑誌を思い切り壁に投げつけた…。


ドンッ!!


助けに来てくれるのかと、期待していると、渉は黙ってそのまま二階へ…。


“…え〜!?
いつもなら助けにきてくれるじゃん…。ってか…
もっと早い段階で…(涙)
…渉……………。
稜兄と二人しないでよ!
このままじゃ、本当にヤラれちゃうよ…。
稜兄のことだから、AV並みに変態プレイだよ…。
………助けて(焦)!!”


渉に見放された時点で、
ある程度の覚悟が出来ていた私に、稜兄は思わぬ一言を呟いた…。


『ちぇっ!!
渉、行っちまった…。
つまんねぇの…。』


そういうと、稜兄はリビングのソファーに寝転んだ。


そして夕食時になり、渉が二階から下りてくると、稜兄は、また私に手を出す。


“…稜兄何考えてんの?”


稜兄の奇妙な行動は、全く理解出来なかった…。

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