《MUMEI》 先生は、 どんな気持ちで僕にコーチを頼んだんだろう? 自分がいなくなるから、 後を任せられる人間を探していたんだろう。 きっと僕よりずっと上手い人にも声をかけてたんじゃないかな。 でも、 今こうして赤高のコーチをやってるのは僕だ。 僕なんだ。 だから、 だからこそ僕には責任がある。 あいつらを上に連れていくっていう責任が。 だから僕はあいつらの前を歩き続ける。 あいつらと一緒に練習して、 僕も上手くなんなきゃならないんだ。 猪狩との試合は、 どうなるかわからない。 猪狩の実力だって覚えてないし。 メンバーだってまだ決まってない。 それでも、 それでも僕は本気で試合をしなくちゃならない。 勝つつもりで試合はやる。 だけど、 本気でやって負けることで証明しなくちゃならないんだ。 僕を選んで間違いはなかったって。 前へ |次へ |
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