《MUMEI》

初めて言われた言葉に、湧雄は無意識に涙を流していた。


「あたし今まで、ウルフって認めてもらえなかった…。

この力のせいで同じウルフから化け物扱いされて…。」


「力を持っていても、君はウルフだよ。それも特別なウルフ、その力をほこりに思うべきだよ。」


人間の男は、湧雄の頭を優しく撫でた。


初めて
ウルフとして
認めてもらえた


あたしの目を見て
君はウルフだよ
って言ってくれた…

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