《MUMEI》

「てなわけだからよろしくね。」


「あぁ…、


別に俺は構わないけどさ。」


翌日。


僕は学校で恭介に試合の話をしていた。


本気でやってもらう為、


キャプテンの座をかけて、


ということは伏せて。


「足りないポジションのことは考えてんの?」


「や、それが全然…」


「ふ〜ん。」


足りないポジションは3つ。


右サイド。
ポスト。
エース45だ。


「ヤマが来てくれればなぁ…」


「あいつは無理だろ。」


「…だろうね。」


正直…


いくらなんでもこのメンバーにヤマを入れるのはあいつらにとっても可愛そうだ。


僕とヤマの間に既にチームワークができてる。


はっきり言ってこのコンビネーションは県内…


いや、


全国でだって1番だろ。


そこに勝つのはあいつらじゃ無理。


まだね。


「どうするかなぁ…」


午後の授業は、


頭に入らなかった。


まぁ…


いつものことなんだけど。


赤高に向かって、


練習をした。


昨日の様子が少し心配だったけど、


今日は皆真剣にやってた。


これからのことを受け入れたんだろう。


わかってくれたんなら、


よかった。


「安本さん?」


「ん?」


「これから1ヶ月。


マジにハンドのこと覚えてもらいますよ?」


「え?」

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