《MUMEI》 街の中街には夕飯の買い物をしているヒトで混雑している。迷子になるなよ。そう笑い、 「とりあえず基本的な場所だけ案内しておく。今いるのが東口とか東門って呼ばれてる所。」 そう言って門を指差す。頷いたのを確認し、移動を開始する琴。街の中央へ向かっているようだ。 南北へと流れる川二本並んでが流れている。その中州に公園があった。 「ここが街の中央にあたる公園。待ち合わせとかは・・」 獅子の紋章が描かれた旗のなびいている辺りを指差し 「そこらが便利だな。他には・・そっちの噴水とかだな。」 何気なく噴水を見ると、ヒトが多くそれに合わせるかのように露店も多い。どの店もアクセサリーを中心にあつかっているようだ。見ているのに気がついたのか、 「プレゼントとか、ここで買うと結構質がいいのが手に入るぞ」 あげる相手が居るならな、といたずらっぽく笑う。説明を終えスタスタ歩いて行くと看板があった。どうやらこの街の地図のようだ。 「めんどくさいからこれ見て説明するぞ」 次々と指差し紹介をしていく。 「要するにここを中心に東側に冒険者用の宿やら旅に必要な物とかが売ってる、武器とかその辺も東側だ。西側は住宅街だな。北側には、公園とか娯楽施設がある、で・・最後に南側だけどフィリアス教の教会と、政治系の施設、それから守護騎士とかの訓練所がある。まぁ行くことはないだろうな。」 こんな所だ、と説明を終える琴に礼を言う。 「何か聞きたいこととかあったらテレパスでも使え。んじゃ俺もそろそろ家に帰るぞ。」 色々話をしているうちに結構時間が経っていたようで空は完全に暗く、月のような天体が浮かんでいた。 (エデンなんかとは随分違うな・やっぱり。) 空を眺めつつ思った。 琴と別れ、宿がある方へ向かって歩いていく。ついでにといった感じで道具屋などにも立ち寄り、アイテムを売買していく。モンスターを倒したときに拾ったアイテムを売り回復アイテムなどの消耗品を買い求めていった。今の手持ちは10230E。 明日の午前中に街を少し探検しようと考え、歩いて行く。時折立ち止まり、街並みを眺め・・歩く。 宿屋街に入ったのは琴と別れ1時間近く経ってからだった。 前へ |次へ |
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