《MUMEI》
怪しい友情
「…何で俺にそこまで尽くすわけ?」

「だって、この前傷付けたし」

「だからって普通ここまでしないだろ」

「だって、俺に出来る事ならしてやりたいと思ったんだ!」


(変な奴)


祐は、自分で自分の言葉に驚いたらしく、叫んだ後、少し放心状態だった。


「言っておくけど、俺がお前を好きになるとかあり得ないから」

「友達でもダメなのか?」

(友達?)


はっきり言ってこの時の俺は、俺が祐と友達として仲良くしている姿が全く想像できなかった。


「そう、友達! 愛情はたった一人分しかいらないかもしれないけど、友情は多くても、むしろ、多い方がいいぞ!
さっきの春日さんみたいに!」

「お前と、友情が続くとは思えない」


祐はどちらかと言えば、途中で消えていった下心丸出しの春日さんの求婚者達に近い存在に思えた。


「何〜! 俺の作ったデザート食べておいてそういう事言うのか!」

「頼んでない」


(でも、実際こいつの作った物は何故か食べれるんだよな)


俺は、ショックを受けている祐を無視して考え込んでいた。


そして、いまいち祐を信用出来ない俺は、涙目の祐と条件付きで友達になった。

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