《MUMEI》 条件付きの友達あれから、毎日祐は俺の病室にやってくるようになった。 「祐也、ちゃんと食べてるか? 今日のオカズはどうだった?」 「ちゃんと、…食べ、たよ」 祐は俺が出した条件をきちんと守っていた。 だから、俺も、祐を友達扱いしなければならない。 …の、だが。 (何で、よりによって、安藤先輩とも来るんだよ!) 「ん〜、何だ? その顔は?」 「別に」 「祐と二人きりになりたかったの?」 「それは無いです!」 「そうそう無い無い。 だって祐也は、『二人きりにならないなら』って条件で俺と友達になったんだから、な?」 「あと、『変なスキンシップしない』って条件で」 俺は、俺の肩にのっていた祐の手を叩いた。 「何だよ、この位普通の友情だろ」 「俺は普通に友達として彼女とうまくやってほしいから、そういう態度をとっただけだ」 彼女という部分を、俺はかなり強調した。 そんな俺を見てもまだ、安藤先輩は、昨日俺の見舞いに来てくれた葛西先輩のように、俺と祐の友情を信じてはくれなかった。 そして、安藤先輩は俺にとんでもない要求をしてきた。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |