《MUMEI》
条件付きの友達
あれから、毎日祐は俺の病室にやってくるようになった。


「祐也、ちゃんと食べてるか? 今日のオカズはどうだった?」

「ちゃんと、…食べ、たよ」


祐は俺が出した条件をきちんと守っていた。


だから、俺も、祐を友達扱いしなければならない。


…の、だが。


(何で、よりによって、安藤先輩とも来るんだよ!)

「ん〜、何だ? その顔は?」

「別に」

「祐と二人きりになりたかったの?」

「それは無いです!」

「そうそう無い無い。 だって祐也は、『二人きりにならないなら』って条件で俺と友達になったんだから、な?」

「あと、『変なスキンシップしない』って条件で」


俺は、俺の肩にのっていた祐の手を叩いた。


「何だよ、この位普通の友情だろ」

「俺は普通に友達として彼女とうまくやってほしいから、そういう態度をとっただけだ」


彼女という部分を、俺はかなり強調した。


そんな俺を見てもまだ、安藤先輩は、昨日俺の見舞いに来てくれた葛西先輩のように、俺と祐の友情を信じてはくれなかった。


そして、安藤先輩は俺にとんでもない要求をしてきた。

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