《MUMEI》
他にいないから
一応食事を食べられるようになった俺は、予定通り明日退院する事になった。


俺は、明日来る事になっている忍にその事を報告し


ある事を頼んだ。


《…本気なのか?》


俺はメールを送ったが、忍は電話をかけてきた。


(やっぱりな)


こうなる事を予想していた俺は、病院の外にあるベンチに座っていた。


《そこまでして友人でいる必要があるのか?その少年は、そんなに魅力的なのか?》

「何言ってんだよ。ただの友達だよ」


祐はどうかしらないが、俺にとって祐は、守達と同じ位の友達だった。


(まぁ、料理はうまいけど)

他の友達と違いがあるとしたら、それだけだった。


《その、ただの友人の為に俺にこんな事を頼むのか?》

「悪いとは思ってるよ」


俺を憎んでいる忍に、こんな事を頼むのは、俺も正直気が引けた。


「でも、アイツの彼女に睨まれるのはもうたくさんなんだ」


祐と友達を続けるかどうかは別として、俺はその件に関しては本気でそう思っていた。


「お前しかいないんだよ、忍」

《…》

「頼むよ!」

《やるからには、俺は完璧を目指すぞ》

「それでもいいから、頼む!」


俺はこの時必死だった

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