《MUMEI》
無言
私はどうしても「私だけを見て」なんて言えそうもなかった。

黙秘……

いつの間にか、やはり立場は逆転しはじめた。

こんなに自分は話しかけてるのに無視するとはなんだ!?という態度のサトル。
ネズミみたいに小さく口を尖らせ、そそくさと寝室へ退散していった。

あ〜あ!
私が悪いわけ?

笑い声がテリビから湧いた。

うるさいなぁ!

バンッ!!

リモコンを捜す余裕もなくテリビのオンオフのスイッチを思い切り叩いた。

痛っ!! ………ん?

サトルの携帯が光っている。

きれいなレインボーカラーの点滅。音はなし。

カチッ

私はとっさにその二つ折りの携帯を開いた。

え!?

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