《MUMEI》

「…は、もう……」
「ごめんね?つい可愛いくって」
汚れをティッシュで拭き取り、俺にジーンズを履かせてくれる。

俺はもうされるがまま、力入んない。
「お腹空いたね?食べに行こう」
「もう!―――はあ…」

俺は貢にとりあえずしがみついて、胸に頬をすりつけた。

エッチの後こうして甘えないと俺はいつも気持ちも躰も静まらない。

「――聖……、愛しとるよ…」

「ぅん……」
「――此処で1日過ごしちゃう?」

「ヤだよ…」

そして極自然に軽いキスをして、やっと落ち着いた。

――本当は、貢と一緒にいれるなら…

俺はべつに何処だって…

いーんだけど…

貢の案内でイタリアンレストランに入った。



俺は東京生まれの東京育ちだけど、あんまり地元から出ないせいか池袋とか渋谷とかどうにも苦手だ。

つか人多すぎ?
気をつけないと真っ直ぐ歩けないし、まー、とにかく道が分からない。

前へ |次へ

作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
ケータイ小説サイト!
(C)無銘文庫