《MUMEI》
死地からの脱出
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「…ハァ!…ハァ!…ハァ!…」


ドラミは、どこでもドアの向こう側へ逃れるや、まだ落ち着かぬ呼吸を弾ませていた。



ここはアメリカ東部……ニアの部屋…。



時刻は、現地時間の午前6時を回ったところだった。



朝とはいえ室内は薄暗く、窓の外にはどんよりとした曇が立ちこめている。



「痛ぅ――…!」


ドラミは右腕に残る激しい痛みに顔を歪ませる…。



警官の発砲により銃弾が貫通していたのだ。



――…ガチャッ…!


右腕のペタンハンドはその能力を失い、持っていた巨大なリボルバー式の銃を、堪え切れず床に落とした…。

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