《MUMEI》

その時―――…



「随分、騒々しい登場ですね?」


いつの間にかニアが側に立っていた。



「…ハァ…ハァ…ごめんなさい…

…こんな時間に…。」


ドラミは突然の物々しい訪問を詫びる。



「…いえ……構いませんよ…。

…それにしても相当な窮地を潜り抜けて来られたようですね…?

…こんな物騒なものまで持ち出して…。」


ニアは、ドラミが落とした銃を拾い上げながら、傷だらけのロボットを労った。


まるで他人事のように……口先だけの労りのようにも聞こえるが、それがこの少年なりに精一杯できる気遣いだった。

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