《MUMEI》
初詣
『十時に乙矢の家に集合』

美作家に集まるといきなり半裸にされて着付けられた。
乙矢もすでに正月仕様でぐったりしている。


事あるごとに美作母の着せ替え人形にされている……


「ごめん、遅れギャー!」

遅刻魔人七生が最後の犠牲者だ。
今年は特に由加里姉が増えてパワーアップしてる。


「……乱暴された!」

七生が着付けられたときの最初の感想は俺も思った。

「こんなになるなら勝負パンツ履けば良かった……」

……それは思わない。


「あの、俺だけ袴じゃないの?」

何故、俺は着物で七生と乙矢は袴なんだ……


「乙矢が黒で七生が白だから赤い袴にしたかったんだけど由加里に止められたから。」

乙矢母は憂いたが本当、危なかった。
着せ替え人形だ。
由加里姉が親指を立ててくれる。

有り難う助けてくれて……


「着物の方がジロらしい明るい色調があるし、艶っぽいからね!」

あれ……違うんだ。


「俺も着物が良かったな、乙矢とお揃いなんて最悪じゃないか!」

七生は贅沢だ、俺だけ着物なんだぞ……!赤よりマシだけどさ、白地に淡いグレーやピンクだからやっぱり恥ずかしいじゃないか。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫