《MUMEI》
煎餅一枚
稚麻が〜独りで コロコロと遊んでる姿が見えた。


…今日は、やっぱり帰ろうかな?


なんて考えてたら、稚麻が僕に気付いてしまった。


「に〜ちゃ!」
嬉しそうに、駆け寄ってくる。


手には、煎餅を1枚、持っていた。


「??」


稚麻は、僕の前で煎餅を半分に割り〜


「はい!に〜ちゃの分!」
と笑って差し出した。


「あ、稚麻〜僕は要らないから、食べていいよ。」


そう言ったら、稚麻は泣きそうな顔をして、「ダメ!に〜ちゃの分」
と、渡そうとした。

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