《MUMEI》 「ハア ハア……ギャッ!」 急に明るい場所に出て来て、足元がふらついた。 案の定、転ぶ。 「弥一!」 先輩に持ち上げられてかいがいしく怪我が無いか確認された。 「世喜先ぱ……」 はっ、いけない。 優しさに甘えようとしてしまった、なんて自分は変態なんだ! 「弥一?」 「さ……、触らないでっ」 触られたら変態になる! 鼓動が治まらない…… 「弥一、落ち着け!同じ道をぐるぐる回っているだけだぞ!」 先輩に前に立ち塞がられる。確かに、先程から出入口が見当たらない。 「ほら、捕まえたあ。」 世喜先輩は大きいから包囲されては逃げられない。 「座る所探すか。」 ぐいぐい引きずられて、 結局はトイレ付近のベンチしか空いてなかった。 飲み物を買ってきてくださった。 隣に座られた緊張を解す為に無心でコーラを啜る。 前へ |次へ |
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