《MUMEI》

ましろはその時、一瞬という意味が分からなかった。


するとお爺ちゃんは手に持っていたS字フックを出し、塞いだ傷口の糸に1つ1つ引っ掛けていった 。


「一瞬だよ…。」


お爺ちゃんはニヤリと笑った後、5つのS字フックを纏めて思い切り上に引っ張った。


引っ張ったというより、糸を斬りにいった。


「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」


凧糸は切れず、肉が斬れ縫った糸が全て取れ傷口がパックリ開いた。

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