《MUMEI》

ドラミは呆気に取られるニアの手を握り、引き起こした――…。



「こーゆーのは感心しませんねぇ…。」


―――…パンパン…。


ニアはムッとしながら着衣の埃を払う…。



「あら?……欧米人の癖にジョークが通じないのね…?」


多くの犠牲を目の当たりにしてきたばかりだというのに、ドラミは何故かしたり顔で微笑んでいた。



「だいいち不謹慎ですよ…。」


「うふっ(微笑)……ごめんなさい。」



それは窮地を脱した安堵感に加え、ようやくキラに辿り着いたという高揚感から思わず出た、些細な悪戯心だった。



だが普段のドラミなら、このような空気で、ナンセンスなジョークは謹むところだろう。


余りの激動ぶりに、ドラミの頭脳回路が変調をきたしたのかもしれない…。

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