《MUMEI》

「お、イイ男が三人揃ってるねえ。」

太郎兄が三葉ちゃんを抱きながら入って来る。


「タロ調度良い所に!記念撮影して!記念撮影!」

三葉ちゃんを引ったくり由加里姉は太郎兄にカメラを渡した。
太郎兄がたまに、本当に犬のように見える。


「三人でと一人一人で!」

由加里姉現場監督には逆らえ無い。
逃げたらゲンコが飛ぶからだ。
七生は皆で写ったりとか好きなんだけど俺は苦手だ。


乙矢なんてたまに上手くフレームアウトするし。

三枚くらい三人で撮られて七生、乙矢がピンで撮られてゆく。


「タロ兄、俺も撮りたい」

七生が立候補してくる。
太郎兄からカメラを渡され操作を教えられている。


「お、七生、セクチィショットを撮りたいのか?ほりゃ、ペローン」


「へぎゃあーーーーーー!」

由加里姉が背後から俺の着物を剥き、上半身を露にされる。
俺は驚きのあまりに肩を抱いてその場にへたり込む。


「あらあら、大丈夫?」

乙矢母が近寄って来た。


「由加里馬鹿力だから破けてない?」

き、着物を心配してたんかい……。


「やった、二郎の淫ら画像を手に入れた!」

七生が高々とカメラを上げる。


「うわあーーーーーー消してーーーーーー!」

虐めだ!


「七生、お前は……」

乙矢がカメラを奪ってくれた。

「手ブレ補正はしたのか?!」


乙矢母にしてもこの母子は……!

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