《MUMEI》
最後の文章
『見た目や自分の能力を偽らなければならないような普通はあり得ないよ。

自慢したり、過去をペラペラ話す必要はないけどね』

『普通は、人に言えない秘密の一つや二つはあるから、気にする必要は無いよ』

春日さんの手紙は、役に立つ内容ばかりで、俺は何度も読み返していた。


そして


最後の内容が、何よりも俺の心に響いた。


『祐也は、自分からではなく誰かに言われて普通を目指しているように思えた。
もし、そうなら、その人は…』


その続きが、旦那様の本心なら、どんなに嬉しいだろうと思った。


『祐也に、幸せに生きて欲しかったんだよ。

普通に生きるっていうのは
自分の普通を見つけるっていうのは難しい事だよ

でも、もし見付かれば、祐也はきっと幸せになれるから。

祐也は若いんだから、ゆっくり、幸せになる方法を見付ければいいよ』


(都合、良すぎないかな)


俺が殺した旦那様が、こんな事を思うだろうかと、俺は思いつつも…


その、最後の内容を俺は何度も読み返して


気が付くと、泣いていた。

(ありがとう、春日さん)


俺は手紙を抱きしめて、春日さんに何度も感謝した。

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