《MUMEI》
友達兼ボディーガード
「それから、ラブレターの返事する時は、私が付いて行くからね」

「…何で?」

「友達だから。危なくなったら助けないといけないし」


(助けるって…)


志貴は俺より背が高いが、俺より力が弱い。


「俺達も、行ける時は行くから。
それから、今はいないけど、祐先輩と葛西先輩もできるだけ付いていくって」

「何か、大袈裟じゃないか? 別に俺、一人でも…」


「「ダメ!」」


怒鳴ったのは志貴と守だった。


「祐也の場合は相手は女だけじゃないからな」

「お前に何かあったら、志貴さんが悲しむ」


「『志貴さん』?」


俺は、真司と拓磨の説明よりも、拓磨の呼び方に反応した。


「『祐也を守るなら、祐也と友達でいてくれるなら、名前で呼んでもいいわよ』って言ったの。

祐也の友達なら、私にとっても友達だから」

「俺は、友達で終わるつもりは無いけどな」

「私は今のところ一生友達でいいけどね」


(これは、進展したのか? 後退したのか?)


判断が難しい所だった。


とりあえず俺は


友達の付き添いで、ラブレターの相手と会い


一週間かけて全員に『ごめんなさい』をした。

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