《MUMEI》

暫時後――…。


ドラミはようやく落ち着きを取り戻していた。



彼女はやがて部屋の真ん中に置かれた、大きなピンク色したドアに左手を添える。



―――…ギィ…


「…どこでもドア…

……壊れちゃった………。」



虚しく開閉を繰り返すドアの裏側には、7〜8個の弾痕が刻まれていた。


それはニアの部屋の景色を、ドア枠の中に虚しく透過するだけだった…。



ドラミは落胆を疲れ切った吐息とともに洩らす――…。



やがて時間が経つにつれ、薄暗かった部屋は徐々に明るさを帯びてきた。



曇空の頼りない明かりが窓から射し込み、ドラミの身体を照らしだすと――…


ニアは、ポーカーフェイスが染み付いた顔を僅かにこわばらせた…。

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