《MUMEI》
ロックオン
あいつのテールを追いながらもミラーにも目をやる。

6Rもぴったりと張り付いている。
ここまでは予測通りの展開だ。

(中盤でどこまで詰めていくか、そして、どれだけ突き放せるか…)

コーナーであいつのテールが光り、一瞬近づくが、俺もブレーキを掛けると、また離れて行く。


コースも中盤に差し掛かると、あいつの膝が路面を捉える。

だが、前と違って失速感がない。

(なかなか乗れてるじゃないか)

俺の膝も路面を捉え、カリカリと音を立てる。

少しずつだが、距離が縮まっている。

(上手くなってるが、まだまだだな(笑))

あいつとの距離が縮まるにつれ、6Rとの距離は開いていく。

(ロックオン(笑)
次は、俺の得意なS字だ。
ここで張り付いてやる!!)

俺は、あいつよりも強めにブレーキをかけた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫