《MUMEI》

「時間置いたから今度は胃が受け付けるな。」


「普通に食えるな。」





「俺ニンジン嫌いなんだよね〜。」


何だこいつら…


「椎名これあげる。」


「あ〜!!なんすかも〜!!


自分で食ってくださいよ関谷さん!!」


お前らの強みはそういうとこにあると思ったのに…


「バカ戻すなよ椎名!!」


「自分で食ってください!!」


ガッカリだよ…


「クロさん関谷さんに何か言ってくださいよ〜!!」


「バンッ!!」


「…クロさん?」


「…お前らちょっと話聞け。」


「…?」


「さっきから思ってたけど…


お前らおかしいよ。」


「…?」


「当たり前のように飯食って、


昼飯の時もそうだったけど、


いただきますさえ言おうとしない。


作ってくれた人の前で胃が受け付けないとか、


バカじゃね〜の?


練習終わったらとっとと部室戻りやがって。


モップ掛けもしないでさ。」


「…」


「当たり前のこと当たり前だと思ってんじゃね〜よ!!


飯作ってもらえんの当たり前だと思ってんじゃね〜よ!!


ハンドボールできること当たり前だと思ってんじゃね〜よ!!


1回ハンド出来なくなったお前らならわかんだろ!?


なぁ椎名!?」


「…はい。」


「だったら何でやんね〜んだよ!!」


「…すいません。」


「次からも同じような態度とったらぶっ殺すかんな!!」


「…すいませんでした。」


それから静かな静かな晩ご飯を済ませて、


風呂に向かった。

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