《MUMEI》

「ドラミさん―――…」



ニアが思わず名を呼んだ相手は、全身に返り血を浴び……


リボンと肩の辺りに刀傷を負い…


右腕を銃によって撃ち抜かれていた…。



その痛々しい姿は、想像を絶する修羅場を潜り抜けてきたことを窺わせる…。



「ドラミさん……ひとまず、貴女は休んでください…。

…話はそれから聞きましょう…。」



ニアは、ドラミに歩み寄ると柄にもなく気遣った。



「えぇ……少しだけ…

…少しだけ眠るわ…。」



ドラミは部屋の脇にあったソファーの上に、ゴロリと身をまるめた…。



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