《MUMEI》

この家の2階では――…



「…しずかー噤H

……しずかー・?

…もう遅いから寝なさぃ……。」



しずかの両親が、事件のショックで自室に籠る娘に呼びかけていた。



――――…だが………



「こないでー!…放っといてよ!

…うっうっう……」



両親がドアの隙間から伺う子供部屋からは、涙に暮れる嗚咽の声だけが聞こえていた。



「ふぅ――――………。」


両親は困り顔を見合わせる。



しずかは、ここ数日で五人もの友達を亡くしたことになるのだ…。

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