《MUMEI》
恋愛相談
「って事があった。…どう思う?」

『知るか。何故報告だけじゃなくそんな相談するんだ』


(それもそうだな)


俺は今まで忍に簡潔に報告する事ばかり考えて、相談する事など無かった。


(春日さん効果かな)


『わからない事は、訊けばいいよ。
身近な人に相談するのもいい事だ』


俺は既に春日さんの手紙を何度も読んで暗記し、生活の中で活用していた。


おかげで、前より少しだけ、生活が…楽しかった。


「忙しかったらいいよ。忍の意見が聞きたかっただけだから。

例えば、忍は旦那様が好きだけど、他に好きな存在ができた事は無いのか?
それで、戸惑ったり、迷ったりした事とか…」


(忍に限って無いだろうけど)


忍は俺と同じ位旦那様を想っているはずだから。


メールの返事はなかなか来なかった。


(やっぱり忙しかったかな)

俺は、携帯の電源を切って寝た。


翌朝。


充電を終えた携帯の電源を入れると、忍から返信があった。


『メールは報告だけにしろ。恋愛相談なんて二度とするな。

もし、したら、今度会った時…

思いっきりイチャつくぞ』

それは、脅迫が入った怒りのメールだった。

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