《MUMEI》 タロ兄の運転で初詣に行く。今日は三葉ちゃんも乗っている。 「いやーいい収穫だった。タロ兄、二郎の剥き身画像は三枚欲しい…………いだだだだ!」 助手席の七生の頬を目一杯引っ張った。 ……三枚も同じ物を頼むことも変だ! 「一日過ぎたのに混んでるね、先に行ってていいよ」 中々車も停められないらしく、三葉ちゃんも降ろして先に神宮に向かう。 「怖い……凍ってるよ!転んだら演技悪いよ……」 受験生だから転倒は避けたいのでじりじりと歩く。 「うわ、転ぶ!」 「触るな馬鹿、……あいたあ!」 七生が転びそうになりしがみつくのでバランスを崩し、転んでしまった。 「初転び、ご馳走様でした」 乙矢は一人、三葉ちゃんを抱きながら盛大に尻餅をついた俺達を見ている。 「乙矢……何色だった?」 七生の言葉で転倒の際に足が開いていたことに気が付いた。 「……青。」 「乙矢も教えるな!」 悪ノリの時はこの二人、本当に仲が良い。 前へ |次へ |
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