《MUMEI》 「何であんなこと言ったんだよ。」 次の日の朝、 教室に入るといきなり成瀬が言い寄って来た。 「あ?」 「昨日のこと!! 俺のこと知らないって言ったろ!!」 「ああ、本当に知らねぇから。」 一瞬成瀬の顔が凍り付く。 「お、お前、昨日の態度と違くないか?」 「別に。フツーだけど…」 「あっそうだ!! お前、颯馬って呼ばれてたよなあ?」 成瀬が無理矢理話題を変えようとする。 「ん?それが?」 「俺、昨日ずっと考えてたんだけど、 颯馬って、あの颯馬?」 「は?何言いたいんだお前?」 俺は何のことか分からず、 つい成瀬にガン飛ばしてしまった。 「た、滝澤颯馬っ。」 成瀬は少し怯えつつも俺の本名を口にした。 「お前、滝澤颯馬だよな?」 「だったらなんだ?」 だから何が言いたいんだコイツ。 「うお〜すっげぇーー!!」 「!!!!??」 「滝澤颯馬って走り幅跳びで全国一位の奴だろ!あと、幅跳びだけじゃなくて短距離も凄くって…」 成瀬が勢いよく深呼吸する。 「すっげぇーー!!! 俺、本人と話しちまったよ!!」 前へ |次へ |
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