《MUMEI》
全ては愛に捧ぐ
血で噎せ返る。
依子の為に、僕は全てを燃やしたのだ。





分家の者を屋敷に呼び集め

一人一人、

鎌で、首を裂いた。




既に、伯父の死体を地下に隠蔽したことを伯母に見られてから決まっていた。

僕等に後戻り出来る余地はなかったのだ。
逃げ惑う伯母を捕まえ、鎌を振り上げた時から……


依子は言った。
「兄様、依子は兄様の為なら人を殺すことも厭わない。でも、兄様と離れ離れになるのだけは堪えられない……依子を殺して下さいますか?」


僕には因幡の全てを燃やし、依子と逃げる以外の選択は無かった……。

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